用語解説

工程用語

工程を表示する用語として次の16の用語が定められました。工程の表示には、工程順に以下の用語をコンマ区切りで列記しています。

イオン膜:
塩分濃縮膜、イオン交換膜などの別名があるもので、海水の塩分を濃縮する操作です。
逆浸透膜:
淡水化膜、ROなどと呼ばれるものです。海水を真水にするときに出てくる濃い海水を利用するものです。
浸漬:
藻塩の製造で海藻を浸漬する操作です。
溶解:
天日塩、岩塩などを溶解してかん水(濃い塩水)を作る操作です。
天日:
塩田、流下盤、枝条架、ネットなど自然力を利用して蒸発させ、塩を結晶化したり、海水を濃縮したりする操作です。
平釜:
開放釜で煮詰めて塩の結晶をつくる方法です。
立釜:
真空式、加圧式など密閉釜で煮つめて塩の結晶を作る方法です。
噴霧乾燥:
海水を霧状に噴霧して塩の結晶を取る方法です。
加熱ドラム:
海水を液滴にして加熱したドラム上で塩の結晶を取る方法です。
採掘:
岩塩または湖塩を掘り出すことです。
乾燥:
塩の水分を蒸発させて除く操作です。加熱、除湿、減圧乾燥を含み、天日乾燥は含まれません。
粉砕:
塩の塊を砕く操作です。
焼成:
焼塩の工程で、塩の結晶を焼く操作です。380℃以上は高温焼成、380℃以下は低温焼成といいます。
混合:
複数の原料の塩を混ぜたり、添加物を加えて混ぜる操作です。
洗浄:
水や塩水で洗って砂や「にがり」分などを除く操作です。
造粒:
塩を粒状などに成型する操作です。

以下の工程用語説明は、代表的特性や特徴を簡略に記しましたが、この特徴がすべてを示しているものではなく、様々な工夫で変わった特徴を付加しているものがあるので、詳細は商品のホームページ等を参照してください。

1)イオン膜:

イオン膜

イオン交換膜電気透析装置(株式会社ダイヤソルト提供)

別名: 塩分濃縮膜、イオン交換膜、イオン交換膜電気透析
機能: 塩分だけを透過する膜を使って、海水の塩分を約3%から約18%まで濃縮する方法です。
特徴: 塩化ナトリウムを効率的に濃縮し、生産性が高く、自動化され、海水汚染の影響を受けにくい方法です

2)逆浸透膜:

逆浸透膜(株式会社ぬちまーす提供)

逆浸透膜装置 ((株)ぬちまーす提供)

別名: 淡水化膜、RO
機能: 真水だけを透過する膜を使って真水をとったときに、排出される濃い海水(約5%)を利用する方法です。
特徴: 海水成分比はほとんど変わりません。真水の採取と共用できます。

3)溶解:

岩塩採鉱

岩塩採鉱 (財)塩事業センター提供

別名: 地下の岩塩を溶かし出す場合は溶解採鉱といいます。
機能:
  1. 天日塩、岩塩などを水または海水などに溶解して濃い塩水(かん水)を作る操作です。
  2. 地下の岩塩層に真水を押し込み溶解して濃い塩水をくみ上げます。
特徴:
  1. 天日塩、岩塩を溶解して塩水を作る操作は、天日塩や岩塩に含まれる砂泥を除き、再結晶することできれいな塩を作ります。
    (注)天日塩を再結晶すると「にがり」分はほぼなくなります。そのため必要に応じて「にがり」分が成分調整用に加えられることがあります。
  2. 地下の岩塩層から塩水としてくみ出すことで採掘の労力を省き、また再結晶することで塩をきれいにし、粒子を整えて使いやすくします。
    (注)溶解して再結晶した岩塩は、もとの岩塩としての性質はなくなり、純度の高い塩になります。

4)採掘:

機能: 岩塩を掘り出すことです。
特徴: 岩塩鉱から掘り出したままの岩塩で、硬く溶けにくい特徴があります。通常選鉱されて泥砂は除かれていますが若干岩塩以外の鉱物質が混じる場合があります。

5)天日:

自然エネルギーを利用する方法を総括して「天日」とした。種々の方法があるが、いずれも蒸発法であり、濃縮までなら主な組成は変わらない。

1.天日塩田

メキシコ、ゲレロネグロ塩田(三菱商事株式会社提供)

メキシコ、ゲレロネグロ塩田(三菱商事株式会社提供)

機能: 広大な地盤の上に海水を導き天日、風力を利用して蒸発させ塩の結晶を得る方法です。日本では行われていません。製品は通常天日塩と呼ばれます。
特徴: 一般に粒が大きく、泥や砂をまきこんでいる場合があります。産地の気候、地盤によって運転方法も異なり、塩の特性も異なります。

2.日本式塩田

別名: 揚浜、入浜などの日本の古い名称があります。
機能: 海水を原料とし、塩田地盤上で濃縮させます。海水濃縮だけで結晶まではしません。
特徴: 日本の古い塩田の存続を目的として、小規模の塩田が残されています。実用的な意味での生産は行われていません。

3.流下盤

ネット架・流下盤(海の精株式会社提供)

建屋(ネット式塩田)手前が流下盤 (海の精株式会社提供)

機能: 緩やかな傾斜をつけた平面に海水を循環流下させ、主に太陽熱を利用して水分を蒸発させて濃い塩水をとります。

4.ネット式

機能: 漁網状のネットを組上げ、上部から海水を流下させ、主に風力を利用して水分を蒸発させて濃い塩水をとります。

5.枝条架

機能: 竹笹を立体的に組上げ、上部から海水を流下させて蒸発させることで濃い塩水をとります。

6.結晶盤

天日結晶塩

天日結晶塩

機能: 海水またはかん水を平板状の容器(結晶盤)に貯留して自然力で蒸発させて結晶させて塩を作る方法。稀に濃縮だけ行う場合もある。
特徴: 日本国内で小規模に天日塩を作る方法として採用されている。

6)平釜:

平釜製塩(深層海塩株式会社提供)

平釜製塩(深層海塩株式会社提供)

フレーク塩

フレーク塩

凝集塩

凝集塩

機能: 開放釜で煮詰めて塩の結晶をつくる方法です。蓋があっても、形状が縦長であっても、大気圧に開放されていれば平釜です。
特徴: 小規模生産。温度、攪拌条件により小結晶の凝集、フレーク、などができます。結晶がやわらかく、溶けやすく、やや軽い(かさばっている)塩ができます。

7)立釜:

蒸発缶(ナイカイ塩業株式会社提供)

蒸発缶(ナイカイ塩業株式会社提供)

立方体塩(サイコロ型)

立方体塩(サイコロ型)

別名: 蒸発缶
機能: 真空式、加圧式など密閉釜で炊いて塩の結晶を作る方法です。
特徴: 大規模生産。大部分が0.2?1mmのサイコロ型の結晶になります。平釜より結晶構造が緻密で、結晶が大きく、やや重い(かさ密度が大きい)塩ができます。

8)噴霧乾燥:

微粒塩

微粒塩

機能: 海水を霧状に噴霧して水分を蒸発させ塩の結晶を取る方法です。
特徴: 海水のほぼそのままの組成で塩になります。微粉です。

9)加熱ドラム:

機能: 海水を液滴として加熱した円筒上で蒸発させて塩を取る方法です。
特徴: 海水のほぼそのままの組成で塩になります。微粉です。

10)浸漬:

玉藻浸漬(日本海企画)

海藻浸漬((有)日本海企画提供)

機能: 海藻を海水または濃縮された海水(かん水)などに浸して海藻成分を海水に溶かし出す操作です。
特徴: 海藻に含まれるうま味成分を溶かし出すことができます。

11)乾燥:

機能: 塩の水分を蒸発させて除く操作です。加熱、除湿、減圧乾燥を含み、天日乾燥は含まれません。
特徴: 水分がなくなると、さらさらした流動性がよい塩になります。

12)粉砕:

粉砕塩

粉砕塩

機能: 塩の塊を砕いて粒を小さくする操作です。篩で粒の大きさを整える操作を含みます。
特徴: 粒径を整えて使いやすくします。粒が小さくなれば溶けやすく、くっつきやすく、計量しやすくなります。一方で、固結しやすくなります。

13)焼成:

機能: 塩の結晶を焼く操作です。380℃以上は高温焼成、380℃未満は低温焼成といいます。
特徴: 高温で焼くと塩化マグネシウムは酸化マグネシウムになり、固まりにくくなります。結晶が破裂して粒径が小さくなります。味も少し変ります。低温で焼くと酸化マグネシウムにはならず不溶性のマグネシウム化合物になります。結晶はそのままの形を保ち使いやすいが、固まりにくさでは高温の方が優れています。

14)混合:

機能: 原料や添加物を加えて混ぜる操作です。
特徴: 添加物としては、にがり、固結防止剤、塩化カリウム、各種無機添加物、うま味調味料などを加えることで塩の特徴が変化します。

15)洗浄:

別名: 洗滌(せんでき)
機能: 天日塩や岩塩に含まれる砂泥などを水や塩水で洗って除く操作です。過剰の「にがり」分などを除く場合にも洗浄する場合があります。洗浄のレベルは様々で、極めて簡易なものから丁寧なものまであります。
特徴: 天日塩、岩塩をそのまま使うよりはきれいになりますが、溶解再結晶した塩ほどきれいにはなりません。

16)造粒:

機能: 塩を粒状などに成型する操作です。成形にはプレスするもの、でんぷんなどの成型材を加えて固めるものなど、があります。
特徴: 粒を大きくすることで溶けやすさを調節したり、かさ比重を変えて混合性を良くしたりします。
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