規約解説

食用塩公正競争規約、施行規則のポイント解説

食用塩公正競争規約は食品に関する関係法令に従って作られていますから、この規約を順守すれば法律にも従っていることになります。従来は関係法令を個別に見ながらチェックしなければなりませんでしたが、今後は食用塩公正競争規約をきちんと守れば法律にも準拠していることとなるため安心です。なお、食品関係の法律が改正された時、規約もそれに従って改正される場合があります。規約では消費者等から明確に表記することを求められた内容を上乗せして表記することを定めたものがあります。したがって、従来の法律に定められていない内容でも表記する必要が生じる場合があります。

表示ルールのスタートについて、ポイントを要約した説明用のチラシを作成しました。周囲の方々、社内の方々への説明用にお使いください。

pdf一般消費者向け(A5判)(PDF 556KB)

pdf販売店向け(A4判)(PDF 734KB)

1)規約の対象になるもの (規約・規則第2条

一般消費者に販売される包装した食用塩です。次のような塩は規約の対象になりません。

  • 包装されていない塩,散塩
  • 塩化ナトリウム含有量が40%未満
  • 液体タイプ ... 水塩
  • 食品が混合された塩...ごましお,抹茶塩,塩こしょう
  • 工業用・融雪用・浄水器再生用 等

塩以外の商品の表示の内容については、それぞれの商品の品質表示基準や公正競争規約に従ってください。この規約が塩以外の商品の表示方法を規制するものではありません。

2)表示のすべてが規約の対象になります。 (規約・規則第2条

商品の個装表示、広告、パンフレット、ネット販売の案内、など幅広く適用されます。この点はJAS法とは違いますからご注意ください。

3)一括表記の書き方 (規約・規則第3条

  1. 名称は「塩」または「食塩」と書きます。
  2. 原材料は「海水」「海塩」「岩塩」「湖塩」「天日塩」の名称のいずれかを使います。原材料とは生産工場の最初の状態をいいます。海塩とは海水を原料とした塩を工場の初期原料とした場合で、天日塩の溶解再製は海塩または天日塩と書きます。天日塩の原料が海水だからと言って原材料を海水と書くことはできません。海塩と書くか天日塩と書くかは自由です。原材料名の原産国は製法表示に書くので、一括表示に書かなくてもよいことになっています。
  3. 賞味期限および保存方法は原則として書きません。
  4. 原産国名:輸入品は原産国名を書く必要があります。
  5. 製造者、輸入者、販売者は加工食品表示基準(以下加工品表という)に準じて書きます。ただし、分包(小分け包装)だけを行う場合は加工者になります。

4)製造方法を必ず書くことになりました。 (規約・規則第3条

  1. 食用塩公正競争規約では製造方法を必ず書くことになりました。製造方法には原材料の説明と工程の概要が工程順に書かれます。
  2. 原材料では原材料名を書きますが、製造工場の海水100%の場合以外については原産地名を記載します。2種以上の原材料で塩を作った場合は塩化ナトリウム分のうち何%がその材料から来ているかを記載します。塩を原料とする場合(二次加工品)は原料となる塩の製造方法の概要を記載します。記載する順番は塩の原料、添加物の順番で、多い順に書きます。
  3. 工程はその工程順に定まった用語で記載します。定められた用語は現在16の用語です。これ以外の用語でなければ説明できない工程については、協議会で適切な用語を検討して使用する場合があります。用語説明は次章を参照ください。

5)地名の付いた商品名 (規約・規則第4条

商品名に地名が付いている時、その地域で生産されている場合は使用することができます。例えば、沖縄の海水を使い沖縄で作った塩に沖縄の塩という名前を付けることは何の問題もありません。同様に日本の海水を使って日本で最終包装まで行った製品は国産塩、国内塩と書いても問題はありません。
地名が付いた商品でその地名以外の原材料を使った場合は、その地名以外の原材料を使っている旨、商品名と同一視野内に注書きする必要があります。例えば、原材料はメキシコ産などです。

6)海洋深層水の表記上の注意 (規約・規則第4条

海洋深層水の使用を表記したい場合、同一視野内に採水地と使用割合を明記して記載することができます。例えば、「室戸海洋深層水」。ただし、海洋深層水を使用することで何らかのメリットがあることを記載する場合はその合理的根拠が必要となります。

7)成分表示について (規約・規則第6条

具体的な名称なしにミネラル・・の表現はできません。成分を表示する場合は分析値をそのまま表示するのではなく、健康増進法の栄養成分表示に従って表示します。但し、成分表示は義務表示ではありません。記載は、熱量、タンパク質、脂質、炭水化物、ナトリウムの順に書き、その次に厚労省が人体に必要なミネラルとして指定した成分(Ca,Mg,K,Fe,Cu,Zn,,Cr,Se,Mn,I,P)のうち表示したい成分を書き、それ以外で表示したい成分を記載する時は区分して記載します。特にこれらを含むまたは豊富であることを文章で記載する場合、栄養表示基準に従った表示をします。

8)にがりの表記 (規約・規則第4条

にがりを含有する旨はマグネシウム含量0.1%以上であれば一括表記、製法表記の枠外に記載できます。この場合の「にがり」の定義は、海水または塩湖水を濃縮して塩化ナトリウムを析出した残液であり、Na,K,Mg,Ca,Cl,SO4,Brを主成分とし、それ以外の成分を1%以上含有しないものです。これはミネラル含有を表記するためではなく、にがりを含有することで塩の性質や味が変化するために表記するものです。

9)低ナトリウム塩の表記 (規約・規則第3条

塩化ナトリウム以外の成分が25%以上の場合は低ナトリウム塩と記載します。一括表示の原材料名に1%以上含まれる成分を記載します。

10)用語が定義されたもの (規約・規則第5条

天日塩、焼塩、藻塩、フレーク塩については次の定義に合致する場合表記できます。

天日塩:
塩田等で海水を天日濃縮して結晶としたものに限ります。濃縮だけ行ったもの、塩湖かん水を濃縮したものは天日塩と表記しません。
焼塩:
乾燥を目的とする高温処理は焼き塩とは言いません。温度380℃以上では高温焼塩、380℃未満では低温焼塩と言います。
藻塩:
海藻を浸漬した海水を原料とした塩、塩に海藻抽出物を添加した塩など、海藻成分を含む塩を藻塩と呼称することができます。
フレーク塩:
顕微鏡下で麟片状結晶が相当部分を占めるもので、平釜または天日塩で、平均粒径0.15mm以上、かさ密度1.05g/cm3以下の軽い塩です

11)特級、特選の用語は使えます (規約・規則第5条

比較対象品(並み品)がある場合、特級、特選などの用語が使えます。ただし、明確な規格の差があり明文化されていることが必要です。比較対象品の販売が極めて少なくなった場合は特級、特選などの言葉は使えません。

12)自然、天然が塩にかかる言葉は使えません (規約・規則第5条

自然塩、自然海塩、天然塩などの言葉は使えません。自然製法、自然結晶などの類似用語も使えません。

13)不当表示として禁止されること (規約・規則第6条

  • 虚偽の表示、著しく優良と誤認される表示はできません。
    実際と違う、あたかもよいように思わせる、という消費者をだます表示はできません。著しく優良と思わせる表記をする場合は、合理的な根拠が必要になります。
  • 最上級の表示は原則的にできません。
    製造方法、原産地、成分、品質などについて、最上級の表現を使う場合は明確な根拠が必要となります。最高、最適、日本一、などは、根拠が明確でないと使用できません。
  • 太古、古代、最古のなどの歴史性を表示するときは根拠が必要となります。
  • ○○推薦、○○賞受賞、などは、根拠が必要となります。
  • 健康、美容に効果がある表現はできません。「うがいに使えます。」など極めて一般的な表現では、その塩だけが効果があるような記載でなければ認められる場合があります。本などに「塩水のうがいは風邪の予防に有効です。」という特定の製品を示してない記述は違反ではありません。
  • 他社の製品の悪口はいけません。

14)公正マークについて (規約・規則第10条

規約に合致していることが食用塩公正取引協議会の審査委員会で認められれば、公正マークを付けることができます。協議会の会費、審査料が支払われている必要があります。公正マークを付けることは義務ではありません。

15)猶予期間 (付則

規約の完全施行まで2年間の猶予期間がありましたが、現在は猶予期間は終了しています。

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